3月に入り、所得税の確定申告の期限である3月15日が近づいてきました。
申告書の作成のため、急いで売上高や経費の集計をされている方も多いかと思いますが、その結果思った以上に所得(利益)が出てしまい、事業に関係のないレシートや領収書をかき集めている方はいませんか?
そのレシートを経費にする前に考えてほしいコトがあります。
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事業に関係のないレシートは経費にならない
当然のことながら、事業に関係のない費用は経費になりません。
家族で行ったファミレスのレシートや、家で使った日用品のレシート、個人事業主が一人で食べた食事代などは経費になりません。
仕事中に食べたのだから経費だろう?と思われるかもしれませんが、仕事をしていなくてもごはんは食べるでしょ?という話です。
食事代を経費にしたいなら、誰か仕事関係の人と仕事の話をしながら食事をしましょう。
当然、自分が出した分だけですよ。
割り勘なのにレシートだけ自分がもらうというのはやめておきましょう。
税務調査はこないでしょ?
どうせ事業規模も小さいし、赤字だし、税務調査はこないでしょ?
と聞かれることがよくあります。
これに対して「正直、来るかもしれない来ないかもしれません。でも来るつもりで備えておきましょう。」と答えています。
税務調査が来ないと思っていて好き放題やっていて、税務調査が来た場合のダメージは大きいからです。
それに税務署が来たらどうしようという不安を持ちながら事業をするのは精神衛生上もよろしくないですしね。
自分の事業の正しい成績がわからなくなる
事業に関係のないレシートを経費に計上するということは、それだけ所得(もうけ)が少なくなるわけです。
所得(もうけ)が少なくなれば税金が減るので、こういうことをするのでしょうが、これをしてしまうと自分が営む事業からどれだけの利益が出たのかがわからなくなってしまいます。
野球選手が「ホームラン40本打ったけど、年俸が上がって税金を高くなるのが嫌だから20本にしとこ。」とはならないはずです。
やはり、税金の計算のためだけに決算書を作るのではなく、自分の事業の成績を正しく把握するために作りましょう。
融資を考えているのなら自分の首をしめることに
金融機関から融資を受けて事業を拡大したいと考えているのなら、相応の所得(もうけ)がなければ融資を受けることは難しくなります。
また、今は融資を受けることを考えていなくても、1年、2年先に融資を受ける必要が出てくるかもしれません。
そのときになって「実は事業に関係のない支出を経費にしていたので、このくらいの利益になっていますが、実際はこれだけの利益が出ていました」と金融機関に説明することはできません。
ようは所得隠しをして脱税していたということですから、そういう人に対して金融機関は融資をしてくれません。
目先の税金を払いたくないがためにした行為が、後々になって自分の首をしめてしまうのです。
税務署や税理士は騙せるかもしれないけど
税務調査官や税理士は、そのレシートを見ただけでそれが事業に関係のあるものかないものかが、何となくわかります。
曜日や時間、人数、メニューなどで判断がつく場合が多いです。
ファミレスのレシートだと、休日でキッズメニューが載っていたり、自宅近くだったりすると何となく臭います。
本屋のレシートに学習参考書と書かれているのも見たことがあります(もちろん学習塾を経営しているなら問題ないです)。
今挙げたのはわかりやすいものですが、全部が全部見抜けるわけではありません。
見抜けなかったり、そこまで目が届かなかったりしますので、税務署や顧問税理士を騙すことはできます。
けれど、ただ一人騙せない人がいます。
それは自分自身です。
そのレシートが事業に関係のない費用だということは、ご自身が一番わかっているはずです。
自分にウソをついてまで税金をごまかすことに意味があるのか考えてみましょう。
まとめ
税金の支払いは、払うことによって直接すぐに何かをもらえる、サービスを受けられるわけではないので、どうしても払い損なイメージがあります。
しかし、納税することで社会的な信用が得られます。
個人事業者の場合だと融資を受けやすくなりますし、サラリーマンの場合でも住宅ローンの審査に通りやすかったり、家を借りやすかったりします。
そのレシート。経費にする前にもう一度考えてみませんか?